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全部、夏のせい
第16章 新たな出逢い

もう一つのホテルは、さっきのホテルより少し広いようだった。
フロントで名前を告げると、
すぐに忘れ物を出してくれる。
多分、さっきのホテルから連絡がいっていたんだろう。
お礼を言ってゆっくり振り返って、
ロビースペースにあるソファに向かう。
革問屋で貰ったサンプルとカタログが重たくて、
バッグに入れ直そうと思ったからだった。
ソファに座ってふと見ると、
外に向かうように置かれたカウンターテーブルに、
長身の男の子が居て、
ノートパソコンを観ていた。
「あら…?」と声が出てしまったようで、
彼がゆっくりと私の方を振り返る。
やっぱりさっきの男の子だった。
美しい金髪と、
吸い込まれるような蒼い瞳に、
カールした睫毛。
白い肌に、少しはにかんだような薔薇色の頬。
おとぎ話の王子様が居るなら、
まさに、彼のような人のことだろうな。
私は黒髪の…魔女かしら?
彼は立ち上がって私の方に来ると、
「あの…コンニチハ」と言った。
「どちらから来たの?」と英語で訊くと、
「フランスです」と答えたので、
私はフランス語で話し掛けた。
「さっきも別のホテルでお会いしたわね?」
彼は驚いた顔をして固まる。
「えっ?
どうかしたの?」と言うと、
「いえ。
英語を話すヒトはよく会うけど、
そんなに綺麗なフランス語を話すヒトは珍しいので…」と言った。
フロントで名前を告げると、
すぐに忘れ物を出してくれる。
多分、さっきのホテルから連絡がいっていたんだろう。
お礼を言ってゆっくり振り返って、
ロビースペースにあるソファに向かう。
革問屋で貰ったサンプルとカタログが重たくて、
バッグに入れ直そうと思ったからだった。
ソファに座ってふと見ると、
外に向かうように置かれたカウンターテーブルに、
長身の男の子が居て、
ノートパソコンを観ていた。
「あら…?」と声が出てしまったようで、
彼がゆっくりと私の方を振り返る。
やっぱりさっきの男の子だった。
美しい金髪と、
吸い込まれるような蒼い瞳に、
カールした睫毛。
白い肌に、少しはにかんだような薔薇色の頬。
おとぎ話の王子様が居るなら、
まさに、彼のような人のことだろうな。
私は黒髪の…魔女かしら?
彼は立ち上がって私の方に来ると、
「あの…コンニチハ」と言った。
「どちらから来たの?」と英語で訊くと、
「フランスです」と答えたので、
私はフランス語で話し掛けた。
「さっきも別のホテルでお会いしたわね?」
彼は驚いた顔をして固まる。
「えっ?
どうかしたの?」と言うと、
「いえ。
英語を話すヒトはよく会うけど、
そんなに綺麗なフランス語を話すヒトは珍しいので…」と言った。

