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全部、夏のせい
第16章 新たな出逢い

江戸時代から続くという小さいお店で、
レオンと向かいあう。
本当に若くて綺麗な顔…と思ったら、
紅くなってしまう。
お箸を上手に使って食べるのをのんびり見つめてしまうと、
レオンも恥ずかしそうな顔をした。
「何をしに、日本に来たの?」と言うと、
「大学の専攻は法律だけど、
日本文学が好きで、
夏休み中に日本国内を回ろうと思って。
でも、カードとバイトで貯めたお金、落としちゃったから、
飛行機のチケット、振り替えて帰らないといけないかな?」と言った。
「日本文学?」と不思議な気持ちになると、
「ママンのお祖父さんの家に、たくさん、
日本の本や、翻訳された日本の本があったんだ。
それを読んで育ったし、
日本に憧れていたから…」と言う。
「でも、マーサに会えたから、
それで良いや」
「えっ?」
「マーサみたいなヤマトナデシコに会いたかったから」
レオンは平気で恥ずかしいことを口にする。
食事を終えて、支払おうとすると、
「僕がご馳走したかったのに」と言うので、
「じゃあ、私がフランスに行ったらご馳走してね?」と笑うと、
力強く頷いた。
まるで仔犬のような顔をしていた。
レオンと向かいあう。
本当に若くて綺麗な顔…と思ったら、
紅くなってしまう。
お箸を上手に使って食べるのをのんびり見つめてしまうと、
レオンも恥ずかしそうな顔をした。
「何をしに、日本に来たの?」と言うと、
「大学の専攻は法律だけど、
日本文学が好きで、
夏休み中に日本国内を回ろうと思って。
でも、カードとバイトで貯めたお金、落としちゃったから、
飛行機のチケット、振り替えて帰らないといけないかな?」と言った。
「日本文学?」と不思議な気持ちになると、
「ママンのお祖父さんの家に、たくさん、
日本の本や、翻訳された日本の本があったんだ。
それを読んで育ったし、
日本に憧れていたから…」と言う。
「でも、マーサに会えたから、
それで良いや」
「えっ?」
「マーサみたいなヤマトナデシコに会いたかったから」
レオンは平気で恥ずかしいことを口にする。
食事を終えて、支払おうとすると、
「僕がご馳走したかったのに」と言うので、
「じゃあ、私がフランスに行ったらご馳走してね?」と笑うと、
力強く頷いた。
まるで仔犬のような顔をしていた。

