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全部、夏のせい
第2章 好き?

思ったより荷物の量があったから、
また、アラムが荷物を運んでくれる。
何しろ、古い建物だからエレベーターもない。
鍵を開けて部屋に入ると、
わざとアラムはドアを開いたままにしてくれてるのが判る。
荷物はベッドの上に置いて貰って、
「紅茶、淹れましょうか?」と訊くと頷いた。
洗面台の水は、やっぱり少し茶色いので、
昨日、買っておいたミネラルウォーターでファイヤーキングのカップ&ソーサーと電気ケトルを洗って、
お湯を沸かしてから、ティーバックの紅茶を淹れた。
「あ…。
お砂糖、無かったけど…」と言うと、
「今度、買って来るよ。
スプーンもかな?」と笑う。
アラムはいつもコーヒーにお砂糖を沢山淹れるから、
それも可笑しくて、
私はクスクス笑っていた。
バッグに入っていた日本のチョコレートを出して、
それを摘まみながらのんびり紅茶を飲んだ。
廊下を通りかかった日本人の男子学生が、
開けっ放しのドア越しに、
「こんにちは」と日本語で声を掛けてきた。
「僕、三階になりました。
明日、他のやつもこっちに来るそうですよ。
宜しくお願いします」と言って、
アラムにもお辞儀をして行ってしまった。
アラムの表情を見て、
「他の日本人学生も、今日か明日に、
ここに引っ越してくるんですって」と説明してあげた。
アラムは少し考え込むような顔をしていた。
また、アラムが荷物を運んでくれる。
何しろ、古い建物だからエレベーターもない。
鍵を開けて部屋に入ると、
わざとアラムはドアを開いたままにしてくれてるのが判る。
荷物はベッドの上に置いて貰って、
「紅茶、淹れましょうか?」と訊くと頷いた。
洗面台の水は、やっぱり少し茶色いので、
昨日、買っておいたミネラルウォーターでファイヤーキングのカップ&ソーサーと電気ケトルを洗って、
お湯を沸かしてから、ティーバックの紅茶を淹れた。
「あ…。
お砂糖、無かったけど…」と言うと、
「今度、買って来るよ。
スプーンもかな?」と笑う。
アラムはいつもコーヒーにお砂糖を沢山淹れるから、
それも可笑しくて、
私はクスクス笑っていた。
バッグに入っていた日本のチョコレートを出して、
それを摘まみながらのんびり紅茶を飲んだ。
廊下を通りかかった日本人の男子学生が、
開けっ放しのドア越しに、
「こんにちは」と日本語で声を掛けてきた。
「僕、三階になりました。
明日、他のやつもこっちに来るそうですよ。
宜しくお願いします」と言って、
アラムにもお辞儀をして行ってしまった。
アラムの表情を見て、
「他の日本人学生も、今日か明日に、
ここに引っ越してくるんですって」と説明してあげた。
アラムは少し考え込むような顔をしていた。

