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全部、夏のせい
第16章 新たな出逢い
そっとルーターを元の場所において、
レオンを見上げると、
そっと微笑んでみたけど、うまく笑えていたかはよく判らない。


少しの沈黙は、
そんなに嫌ではなくて、
ゆっくりキッチンに行ってケトルでお湯を沸かしながら、

「コーヒーと紅茶なら淹れられるけど、
どちらにする?」と訊くと、

「紅茶が良いな」と笑った。



丸いティーポットとカップを出してお湯で温める。

ティースプーンでポットに茶葉を入れて、
くるくると茶葉が回るようにお湯を注いで蓋を締めて、
トレイに載せると、

「僕が運ぶよ」とレオンが言う。


ミーティングに使うダイニングテーブルに置いて貰って、
二人向かい合って座る。


紅茶の時に使う砂時計の砂が落ちるのを、
二人、ぼんやり観ていると、
ただ過ぎていくだけの時間が目に見えているという、
不思議な感覚を覚える。


「日本の砂時計は凄いね?
一度に、違う時間を測れるんだね?」と笑うレオンは、
本当に学生らしい生真面目な顔をしていた。

三角柱になっている砂時計は、
3種類の砂時計がセットされているけど、
当たり前過ぎて気にしたこともなかった。


ポットからゆっくり紅茶を注ぐと、
フワリと香りが立つ。


「MARIAGE FRERES…。
懐かしいな。
実家では、ママンが好きで、
いつもこのお茶、飲んでた。
ダージリンだよね?
寮では、いつも黄色いリプトンだから」

「そう…」と言いながら、
私、多分、そのママンと同じ位の年齢なのよと思うと、
可笑しくてくすくす笑ってしまった。
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