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全部、夏のせい
第17章 甘い一夜の夢
「どうして、また、タクシー?」

「だって…。
人混み、苦手だし、
暑いのもダメなの。
日本の夏は、嫌い」と言うと、
レオンはクスクス笑う。


「でも、もっと暑い処で過ごしたこともあるのよ?」と言うと、

「マーサのこと、
みんな、知りたい」と耳元で囁いた。


そりゃあ、あなたの倍、生きてるんだから、
色々な処で、色々な経験、してるのよ?


と、胸の中で呟く。



羽田について、交番に行き、
無事にお財布を受け取った。


中の現金やカードも全て揃っていて、
レオンは日本の安全さに感動していた。


「お礼をしたい」と言ったけど、
相手の方はそれも辞退すると言っていたそうで、
個人情報だからと連絡先も教えていただけなかった。




「この後はどうする?
夕方になったらご実家にお電話して、
お財布見つかったこと、伝えると安心するんじゃないかしら?
あとは…日本国内の旅行プランを考えて、
宿泊先も…」

カフェでお茶を飲みながらそんなことを言うと、
レオンは物凄く哀しい顔をする。


「僕は…。
旅行とか、文学に所縁の場所とか、
もうどうでも良くて、
マーサと一緒に過ごしたいな」

「えっ?」

「僕の中の『日本』は、
マーサが全てだから」

「やだ。
大袈裟ね?」と、わざとふざけて言うと、

「本当にそうなんだ」と、
レオンはとても真剣な顔をして、
テーブル越しに手を握った。


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