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全部、夏のせい
第17章 甘い一夜の夢

朝まで、見つめ合ってはキスをして、
ゆっくり愛し合って、
言葉を交わして、またキスをして…。
いつの間にか外が明るくなっていて、
また、抱き締め合ってキスをしていた。
レオンがどうしてもと言うので、
二人でバスタブにも浸かって、
また、キスをして愛し合っていたら、
思ったよりフライトまで時間がなくなっていた。
慌てて着替えて、
二人でタクシーに乗り込んで、
ずっと手を握ってはキスをしていた。
保安検査もギリギリの時間だったけど、
むしろ、その方が良かったのかもしれないと思って、
レオンの背中を押した。
振り返ってもう一度、私をギュッと抱き締めてキスをすると、
「8月の終わりには、会えるよね?
絶対に、電話して?
マルセイユまで迎えに行くから!」と言うレオンに、
「ほら!
急がないと。
優先レーンに行って!」と無理して微笑んでみる。
レオンは何度も振り返りながら、
ゲートの向こうに消えて行った。
私は溜息をついてから、
離発着が観えるレストランに入って、
ぼんやり飛行機を眺めた。
外は陽炎が立ち昇るほど暑いのが窓越しにも判って、
観ているだけで目眩がしそうになる。
なんだか、レオンと過ごしたことも、
夢か幻のように感じてしまうけど、
両脚の間が少しヒリヒリしたり、
ふとラップワンピースの胸元に覗く紅い花弁が、
現実だったと知らせてくれる。
でも…。
多分、これは全部、夏のせい。
本当に一時の、熱い戯れのようなもの。
だって、倍ほどの年齢の私と、
一緒に居たいと言ってくれる筈もない。
レオンが乗る飛行機らしい機体が飛び立って、
小さくなって行くのを見届けてから、
タクシーでアトリエに戻った。
ゆっくり愛し合って、
言葉を交わして、またキスをして…。
いつの間にか外が明るくなっていて、
また、抱き締め合ってキスをしていた。
レオンがどうしてもと言うので、
二人でバスタブにも浸かって、
また、キスをして愛し合っていたら、
思ったよりフライトまで時間がなくなっていた。
慌てて着替えて、
二人でタクシーに乗り込んで、
ずっと手を握ってはキスをしていた。
保安検査もギリギリの時間だったけど、
むしろ、その方が良かったのかもしれないと思って、
レオンの背中を押した。
振り返ってもう一度、私をギュッと抱き締めてキスをすると、
「8月の終わりには、会えるよね?
絶対に、電話して?
マルセイユまで迎えに行くから!」と言うレオンに、
「ほら!
急がないと。
優先レーンに行って!」と無理して微笑んでみる。
レオンは何度も振り返りながら、
ゲートの向こうに消えて行った。
私は溜息をついてから、
離発着が観えるレストランに入って、
ぼんやり飛行機を眺めた。
外は陽炎が立ち昇るほど暑いのが窓越しにも判って、
観ているだけで目眩がしそうになる。
なんだか、レオンと過ごしたことも、
夢か幻のように感じてしまうけど、
両脚の間が少しヒリヒリしたり、
ふとラップワンピースの胸元に覗く紅い花弁が、
現実だったと知らせてくれる。
でも…。
多分、これは全部、夏のせい。
本当に一時の、熱い戯れのようなもの。
だって、倍ほどの年齢の私と、
一緒に居たいと言ってくれる筈もない。
レオンが乗る飛行機らしい機体が飛び立って、
小さくなって行くのを見届けてから、
タクシーでアトリエに戻った。

