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第2章 好き？

小1時間ほど経った頃に、
フルーツをアラムの友達の一人が届けてくれた。

水を持って来てくれた二人のうちの一人だった。


「ありがとうございます。
あの…お名前は？」と訊くと、
首をすくめるだけで、教えてくれなかった。

アラムと違って何処となく冷たいし、
それ以上、訊ける雰囲気でもなかったから、
頭を下げて受け取った。


いつも黒っぽいスーツを着ていて、
ブルースブラザーズかMIBみたいだなと思ったら、
少し可笑しくて笑えた。


アンティーク調のホーローのボールは、
さっき、ファイヤーキングのマグカップを買ったお店にあって、
可愛いなと思って見ていたものだったから、
多分、アラムが引き返して買ってくれたんだと思った。


洗っただけで食べれる葡萄は多分日本のマスカットで、
物凄く美味しいけど物凄く高価な筈だった。
それに、皮ごと食べれそうなリンゴと、
皮を剥けば良いだけのバナナ。

かなりの量で、笑ってしまった。

食べ切れなかったら、ランチ代わりに持って行って、
一緒に食べれば良いかなと思った。


そして、翌日は教会の朝の礼拝に行って、
朝市で美しい色合いの野菜や果物、お花を見てウキウキした。


毎朝、パン屋さんと朝市でお買い物して、
サラダくらいは自炊するのも良いかなと思って、
この日はスーパーで小さいカッティングボードとナイフとカトラリーを買った。


雑貨屋さんでお皿とカフェオレボウルも買いたかったけど、
日曜日はお休みで、仕方なくトボトボと歩いて帰った。