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全部、夏のせい
第18章 エクスへ

その翌日、ワインのお礼をとお義父様が持たせてくれたラッピングされた箱を自分で作った大ぶりのトートバッグに入れて、
ジャンのお店に行った。
アフリカらしい原色が美しい元気な布は、
南フランスのソレイヤードの布にも近いものがあるかもしれないと思いながら、
プレゼントの箱を渡して、
「良かったらバッグもお買い物とかに使ってください。
手作りです」
と伝えた。
浅草橋で作った革のロゴマークが入ったバッグの第一号の作品で、
それをジャンに渡せるのはとても嬉しいことだと思った。
お店の端の使っていない暖炉の上にある写真立てをふと見る。
古い家族写真やロザリーの結婚式の写真に混ざって、
小さい写真が目に飛び込んできた。
恥ずかしそうにロザリーと立っている長身の男の子は、
少し若く見えるけれど、
確かにレオンだった。
「この写真は…?」と小さい声で尋ねてみると、
「ああ。
その子はひ孫のレオンだよ。
高校卒業の時のものかな?」とジャンが言った。
ああ。
なんとなく懐かしさすら感じたのは、
そういうことだったのねと気付く。
でも…。
やっぱり、私とレオンは一緒には居られない。
ロザリーの息子さん?
いくら親しくても、
親子ほど歳上の私と結婚するなんて、
ロザリーも、ジャンも、
絶対に認めてはくれないだろう。
やっぱり、あの出会いは…。
あの夜のことは…。
真夏の夜の夢だった。
そう思いながらホテルに戻って、
翌日、お義父様達と母国に向けて飛び立った。
ジャンのお店に行った。
アフリカらしい原色が美しい元気な布は、
南フランスのソレイヤードの布にも近いものがあるかもしれないと思いながら、
プレゼントの箱を渡して、
「良かったらバッグもお買い物とかに使ってください。
手作りです」
と伝えた。
浅草橋で作った革のロゴマークが入ったバッグの第一号の作品で、
それをジャンに渡せるのはとても嬉しいことだと思った。
お店の端の使っていない暖炉の上にある写真立てをふと見る。
古い家族写真やロザリーの結婚式の写真に混ざって、
小さい写真が目に飛び込んできた。
恥ずかしそうにロザリーと立っている長身の男の子は、
少し若く見えるけれど、
確かにレオンだった。
「この写真は…?」と小さい声で尋ねてみると、
「ああ。
その子はひ孫のレオンだよ。
高校卒業の時のものかな?」とジャンが言った。
ああ。
なんとなく懐かしさすら感じたのは、
そういうことだったのねと気付く。
でも…。
やっぱり、私とレオンは一緒には居られない。
ロザリーの息子さん?
いくら親しくても、
親子ほど歳上の私と結婚するなんて、
ロザリーも、ジャンも、
絶対に認めてはくれないだろう。
やっぱり、あの出会いは…。
あの夜のことは…。
真夏の夜の夢だった。
そう思いながらホテルに戻って、
翌日、お義父様達と母国に向けて飛び立った。

