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全部、夏のせい
第18章 エクスへ

スイスにアリと一緒に戻ったのは11月で、
工房で製作された商品サンプルを結構持ち帰ることも出来た。
「おや?
少しふっくらして顔色も良くなったね?」と、
お義父様が微笑む。
「ふっくらって。
太ったってことだよな?」とアリが笑うので、
私はなんて言おうか、戸惑って沈黙してしまうと、
「アリはいつまでも口が悪いな。
女性らしくて美しいと言ってるんだよ?」と、
優雅に腕を組んで歩いてくださるお義父様は、
いつまでもダンディーだった。
ブツブツと言うアリを観て、
二人で笑いながらタクシーで久し振りの屋敷に戻った。
自室に入り、
長旅の疲れを取る為にゆっくり入浴して、
鏡の前で観てみると、
確かにふっくらとしていた。
お腹も着実に大きくなっていた。
服で暫くはカモフラージュは出来る。
そして、お義父様にお話しなければと、
唇を引き締めた。
迷いはない。
でも、流石にこの家には居ることは出来ないから、
次の落ち着き先を決めなくてはと思った。
窓の外はすっかり秋になっていた。
紅く色づく落葉樹を眺めながら、
小さく溜息をついた。
工房で製作された商品サンプルを結構持ち帰ることも出来た。
「おや?
少しふっくらして顔色も良くなったね?」と、
お義父様が微笑む。
「ふっくらって。
太ったってことだよな?」とアリが笑うので、
私はなんて言おうか、戸惑って沈黙してしまうと、
「アリはいつまでも口が悪いな。
女性らしくて美しいと言ってるんだよ?」と、
優雅に腕を組んで歩いてくださるお義父様は、
いつまでもダンディーだった。
ブツブツと言うアリを観て、
二人で笑いながらタクシーで久し振りの屋敷に戻った。
自室に入り、
長旅の疲れを取る為にゆっくり入浴して、
鏡の前で観てみると、
確かにふっくらとしていた。
お腹も着実に大きくなっていた。
服で暫くはカモフラージュは出来る。
そして、お義父様にお話しなければと、
唇を引き締めた。
迷いはない。
でも、流石にこの家には居ることは出来ないから、
次の落ち着き先を決めなくてはと思った。
窓の外はすっかり秋になっていた。
紅く色づく落葉樹を眺めながら、
小さく溜息をついた。

