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全部、夏のせい
第19章 二度目のプロポーズ、そして

レオンは、私を真っ直ぐに見つめながら、
携帯の向こうに居るロザリーに、
「結婚したい程、愛しい女性に出逢えた」と言う。
ロザリーが何と言っているのかは判らないから、
不安で震えそうになってしまうと、
「今、一緒に居るから、
スピーカーで話すよ?」と言う。
「まあ。
レオンたら、失恋したみたいにガッカリしてたのに、
なんなの?
再会出来たの?
トウキョウで会った、ヤマトナデシコに?」と、
昔と変わらない口調と声のトーンが懐かしくて、
胸が痛くなるほどだった。
「あのね。
ママンやお祖父さんのマーサと、
僕のマーサは、
同じヒトだぅたんだよ」
「えっ?
どういうこと?」と、
ロザリーが戸惑った声で訊く。
「子供の頃からずっと、
ママンの結婚式の写真で観て、憧れてた、
あのマーサと、
僕がトウキョウで会って一目惚れしたマーサは、
同一人物だったんだよ!」
「まさか!
そこに居るの?」
「うん。
マーサ、話せる?
あのさ。
なんか、泣いてるから…」と説明してくれるけど、
私は涙で、上手く話せそうになかった。
妊婦は精神的に不安定で、
喜怒哀楽が激しいからかもしれない。
「まあまあ!
それは驚きね!」と言うロザリーも、
戸惑っているように感じた。
声を聴きながら、すーっと意識が遠のくような感覚に襲われてしまう。
貧血を起こしていたみたいで、
次に気付いた時は、
自分のベッドに横たわっていて、
レオンが心配そうに私の顔を覗き込みながら髪を撫でてくれていた。
携帯の向こうに居るロザリーに、
「結婚したい程、愛しい女性に出逢えた」と言う。
ロザリーが何と言っているのかは判らないから、
不安で震えそうになってしまうと、
「今、一緒に居るから、
スピーカーで話すよ?」と言う。
「まあ。
レオンたら、失恋したみたいにガッカリしてたのに、
なんなの?
再会出来たの?
トウキョウで会った、ヤマトナデシコに?」と、
昔と変わらない口調と声のトーンが懐かしくて、
胸が痛くなるほどだった。
「あのね。
ママンやお祖父さんのマーサと、
僕のマーサは、
同じヒトだぅたんだよ」
「えっ?
どういうこと?」と、
ロザリーが戸惑った声で訊く。
「子供の頃からずっと、
ママンの結婚式の写真で観て、憧れてた、
あのマーサと、
僕がトウキョウで会って一目惚れしたマーサは、
同一人物だったんだよ!」
「まさか!
そこに居るの?」
「うん。
マーサ、話せる?
あのさ。
なんか、泣いてるから…」と説明してくれるけど、
私は涙で、上手く話せそうになかった。
妊婦は精神的に不安定で、
喜怒哀楽が激しいからかもしれない。
「まあまあ!
それは驚きね!」と言うロザリーも、
戸惑っているように感じた。
声を聴きながら、すーっと意識が遠のくような感覚に襲われてしまう。
貧血を起こしていたみたいで、
次に気付いた時は、
自分のベッドに横たわっていて、
レオンが心配そうに私の顔を覗き込みながら髪を撫でてくれていた。

