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全部、夏のせい
第3章 深まる想い
次の週末のプチ遠足は、
赤や黄色の土が産出される山間のちいさな町で、
建物の外壁や屋根も赤から黄色のグラデーションでとても美しい処だった。

でも、乾燥しているところに結構風が吹いていて、
なんだか顔も髪も土っぽくなってしまった。


帰りのバスで、
小さく溜息をつくと、
アラムが、
「マーサ、どうしたの?」と心配そうに覗き込む。


「えっ?
なんだか土で埃っぽくなってしまって…。
シャワーが相変わらずだから、
どうしようかなと思ったの」と言うと、

「だから、バスルーム、
使いにおいでって言ってるでしょう?
今日、おいで?
僕は外に出てるから」と笑った。


確かに修行僧のように、
上からただ、水を被っているだけで、
物凄く辛くなっていたから、
有り難くお風呂、借りようと思った。


いつもの広場に戻って、
「ちょっと待ってて?」と言って走り出すと、

「マーサ、ゆっくりで良いよ?」とアラムが笑いながら声を掛けた。


エコバッグに着替えとタオル、
お気に入りのロクシタンのセットやスポンジ、ブラシと櫛を入れて、
急いで戻った。


また、お友達がカフェに座っていたけど、
私が近付くと立ち上がって何処かに行ってしまう。


「アラムのお友達は、
私のこと、嫌いなの?
いつも挨拶もしてくれないのよね?」と言うと、

「僕に遠慮してるんだよ。
マーサに夢中だからね?」と笑う。


「じゃあ、行こうか?」と立ち上がって、
私のエコバッグを持ってくれると、
そっと手を繋いでくれる。


「嫌だったら、
振り解いて良いよ?」と言われたけど、
そのままそっと握り返してみた。


とても大きくて分厚い手の平は、
私の手をすっぽり隠してしまう程だった。


「大きな手ね?」と言うと、

「マーサはどこもかしこも、
小さくてとても可愛いね?」と笑った。
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