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全部、夏のせい
第1章 出逢い
カウンターでマルセイユの地図や、近郊の街に移動する為の少し広域に地図、路線図なんかを貰って、
取り敢えず、ベンチに座って広げて見てみる。


でも、方向音痴の私にとっては、
かなり難解で、なかなか絶望的だった。

これは、語学力とは全く違う問題だし、
路線図とか、東京でも見るの苦手だったし。


えっと、私の行きたい街、
この地図の何処かな?

と呟きながら、
真剣に観てると、
地図に黒い翳が掛かったような気がして、
ゆっくり見上げる。


逆光になっていたせいで、
さっきより更に漆黒の顔が、

「マドモワゼル、どうしましたか?」と、
ゆっくりとした美しい発音で、
落ち着いた低い声を発していた。


「えっと…。
地図を読むのが苦手で…。
何処が私の目的地か、探してます」と、
ゆっくりとしたフランス語で返してみる。


「目的地は?」と訊かれて、

「エクスです。
エク・サン・プロヴァンス…」と答えると、

「同じ目的地です。
車を待たせてますので、
ご一緒しませんか?」と言われて、
少し身構えてしまう。


何しろ、ここは外国。
周りには知り合いは皆無。
相手は初対面の男性。
しかも、その後ろに同じような背格好の男性が3人立ってる。


身なりはきちんとしている。
とても上質な夏素材のもの。
靴も磨き込まれている。
喋り方も、スラングとかは全くない、美しい言語。
アフリカ系なんだろうけど、
とても美しい顔立ちをしている。
危険はなさそう。


でも、いきなりご一緒にというのは、
私にとってはとてもハードルが高いと思えて、

「ありがとうございます。
でも、のんびり電車で移動しますので…」と、
やんわりお断りしてみた。
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