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全部、夏のせい
第3章 深まる想い
アラムが荷物を運んでくれるので、
寮の部屋に荷物を置いて、
キャンドルを小さい袋に入れる。


そして、のんびり夕食のお店に向かう。


寮から少し歩いた裏道にある小さいレストランだった。


夏なのに暖炉が端っこで僅かに燃えていると思ったら、
そこには鉄串に刺された何かのお肉が遠くの置き火に炙らせるようにセットされているようだった。


窓際の席に通されると、
アラムは椅子を引いて座らせてくれる。


多分、お店のお母さんがメニューを手にやって来て、
「食べれない物はある?」と確認してからアラムが注文をしてくれて、
ニッコリ微笑んだ。


少しすると、小学校低学年くらいの男の子が、
両手でキャンドルを持ってゆっくり歩いてきて、
テーブルに置いてくれる。


「ありがとう」と言うと、
少し眩しそうな顔ではにかんで笑ってくれた。


料理はとても美味しかったけど、
凄いボリュームで、
メインの鹿肉に添えられたポテトは、
とても食べ切れず、
申し訳ない気持ちになってしまった。


「凄く美味しいのに、
残してしまってごめんなさい。
持ち帰って頂きますね?」と言うと、
お店のお母さんは、

「小鳥のような食べっぷりね?」と豪快に笑って、
持ち帰りの用意をしてくれた。


奥からシェフをやってるお父さんが出て来て、

「可愛いお嬢さんが居るって、
シャルルが言ってたぞ?」とテーブルに来ると、

「ほら!
デートの邪魔、しないの!
本当にオトコってヤツは!」と、
軽く脚を蹴っていたので、
私とアラムは顔を合わせてクスクス笑ってしまった。



お店を出る時に、

「真珠のようなお姉さんにこれを!」と言って、
男の子がテーブルに飾っていた薔薇を一輪、
私にくれて手の甲にキスをした。


「まあ!
シャルル、ありがとう」と言うと、
シャルルは恥ずかしそうに奥に行ってしまった。


寮まで手を繋いでゆっくり歩きながら、

「僕が言いたい台詞を、
あんな小さい子に先を越されたな」とアラムが言って、

「良かったら、また、明日ね?」と言って、
手の甲にキスをして、
寮の入り口で手を振って別れた。


持っていたキャンドルを渡し忘れていたことに後から気付いて、
明日も会えるのかなと思って部屋に戻った。
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