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全部、夏のせい
第3章 深まる想い
市街地の中に、小さいお花屋さんがあったのを覚えていて、
そのお店が開いていたら、
そこで花器と、出来たらフローリストナイフか何かを買おうと思っていた。


お店は開いていて、
中を覗くと上品で小柄なおばあちゃんが座っていた。


花器とフローリストナイフが欲しいと話し掛けながら、
ふと、お店の奥を見ると、
見慣れた桔梗の紋のお免状が飾ってあった。


「あら!
私も同じ門下生ですよ?」と言うと、

「まあ。
私は若い頃に、青山で習いました」と嬉しそうに話してくれた。


そして、フローリストナイフくらいしか無いと思っていたら、
握れるタイプの小振の華道用の花鋏があったので、
それを買い求めた。


そして、
「彼がさっき、マルシェで一抱え分の薔薇をプレゼントしてくれたので…」と言うと、
ちょうど良さそうな少し平べったい花器を出してくれて、

「これなら、日本に帰る時にスーツケースにも入るでしょう?」と、
頑丈な外箱に入れて持たせてくれて、

「また、いらっしゃいね?」と両頬にキスをしてくれた。


のんびり歩きながら、
「門下生って?」とアラムに訊かれたので、

「日本の同じ生け花の流派のお免状が飾ってあったから、
兄弟弟子ってことになるのよ?
あ、女性だから、姉妹かな?」と説明した。


お店は殆ど閉まっているから、
スーパーに立ち寄って、
ツナや豆、トマトの缶詰とチーズなんかを買った。


荷物を持って貰いながら、

「昨日のお礼に、
残り物のリメイクだけど、
ランチをご馳走するわね?」と言うと、

「えっ?
マーサ、料理出来るの?」と、
物凄く驚いた顔をされてしまった。
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