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全部、夏のせい
第5章 ロザリーの結婚式
「真麻さんのお気持ちは?」と神父様が言う。


「私も…。
アラムはとても優しくて、
思い遣り深くて、
一緒に居てとても安心した気持ちになります。
昨日、結婚してるということを聴いて、
とても哀しくて…。
どうして良いかわからなくて…。
そして、アラムの今の言葉は、
嬉しさもありますけど、
ご両親様やご家族様を悲しませてしまうことを思うと、
手放しで喜ぶことは出来ません」と言いながら、
涙を抑えることが出来なかった。


アラムがそっと指先で涙を拭ってくれる。


「それに、自分の信じてきた神様を捨てさせるなんて…」


神父様は、黙って私たちを見ていた。


そして、
「まだ、時間はあるんでしょう?
ゆっくり考えてみると良い。
ここに通って、
アラムは神様についてと、
家族のこと、
そして、真麻さんについてよくよく、考えてごらん。
真麻さんもね。
ご両親様のご結婚の時も、色々、あったようですよ?
お父様は結局、
教会にはいらっしゃらなかったし」と笑う。


そう。
大恋愛の末、結婚したけど、
父の家は禅宗で、教会に脚を運んだことは確かになかった。

母は嫌な顔もせずに、
お寺の習慣に合わせてあれこれ、
していたけど、
祖母はそれについて何かを手伝うことはなかった。


仲は良いけど、
少しだけ、溝はあった。

祖母が当時にしては珍しく、
国際結婚していたことも影響していたのかもしれない。

早くに亡くなったフランス人の祖父のことは、
写真でしか見たことはないけど、
当時は数少ないハーフで、母も苦労したのかもしれないと思った。
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