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全部、夏のせい
第5章 ロザリーの結婚式
その日は、
「色々、準備してくるね?
また明日!」と言って額にキスをすると、
アラムはそのまま、滞在先のホテルに帰って行った。


私は部屋に帰って、
片付けものや軽い掃除をしてから、
近所の酒屋さんに向かった。


来週、結婚式のはずだから、
ベールの刺繍、頑張って仕上げないと!と思っていた。


「ん?
マーサ、何かあったのか?」と、
ジャンは鼻眼鏡を引っ張り上げて言いながら、
私の両頬にキスをする。


「えっ?」

「なんか、雰囲気が違うぞ?」

「そうですか?」と言って、
ロザリーの部屋に行くと、
あれこれ、華やかなものが並んでいて、
気持ちが明るくなる。


「さあ!
今日は頑張って仕上げましょうね!」と言うと、
ロザリーまで、
「マーサ、どうしたの?
なんか、違う」と言われてしまった。


二人で黙々とベールにお花をつけていると、

「判った。
好きな人が出来たのね?
この前、言ってたアラム?」と言われて、
思わず咳き込んでしまう。

多分、顔も紅くなっていたみたいで、
「やっぱりね?」と笑われる。


お姉さんみたいなロザリーに話をしてみる。
多分、自分の気持ちを整理する意味もあってだった思う。


プロポーズされたと言うと、
とても喜んでくれて、
ハグされて、おめでとうのキスを沢山してくれる。

その後、
「でも、アラム、
結婚してたの」と言うと、
天を仰ぐようにした後、
早口で罵り始めるから、慌ててそれを止める。


アラムの国では、四人まで合法的に妻を娶れるから、
若い時に親に決められた人と結婚してて、
このままだと第二夫人になるしかない。

でも、それは嫌だと言ったら、
全て捨てて、改宗して、
私と結婚したいと言ってくれてると言うと、
ようやく落ち着いてくれて、
もう一度ハグとキスをしてくれる。


でも、多分私が浮かない顔をしているので、

「マーサ、どうして哀しい顔してるの?」と訊かれる。


「本当はね。
全てを捨てるなんてこと、させたくなくて。
家族と会えなくなるなんて。
それに、信じてきた神様を捨てさせるなんて…」と言いながら、
私は泣いてしまっていた。
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