この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
全部、夏のせい
第5章 ロザリーの結婚式
翌日、昼休みにアラムは、
「ちょっと事務局に行ってくる」と言うと、
急いで大学本体の方に走って行ってしまった。


私はだいぶ落ち着いてはいたけど、
まだ少し貧血気味だったので、
レバーパテが挟まれたバゲットのサンドイッチを、スタンドで買って、
寮のお部屋に戻って半分だけ食べて、
ベッドで横になっていた。


時計を見計らって、
窓から外をぼんやり観ていると、
下の小学校の校庭から手を振っている男の子に気づいた。


「シャルル?」と呼ぶと、
凄く喜んでくれて、
ニッコリ笑うと、

「煙草、ある?」と、
精一杯、気取った顔で言うから、
笑ってしまう。


「あなた、何歳なの?」と訊くと、

「煙草くらい、吸えるよ?」と言うから、

「私は煙草を吸わないの。
ごめんなさい。
それと、煙草を吸う男の子とは、
キス、出来ないかな?」と言うと、

えっ?という顔をした後、

「僕も煙草、吸わないよ」と言うので笑ってしまった。


「また、ご飯、食べに行くわね?」と手を振ると、
投げキスを返してくれるから、
クスクス笑ってしまった。


さて。
そろそろ教室に戻る時間かなと思って、
リュックサックを肩に掛けて、部屋の鍵を手にした。



午後の授業の始まる時間になっても、
アラムは戻ってこない。

私を睨んでいたアラムの友達は居るけど、
他の二人も居ない。

授業が終わった後、
訊いてみようかと思ったけど、
私のことはまるで見えていないかのような見事な様子で教室から出て行ってしまったから、
私は小さく溜息をついてノロノロと自分の寮に戻った。


宿題でもしようかとデスクに座ってプリントと睨めっこしていると、
なんだか廊下や階段が騒がしいような気がした。

また、工事でも始めたのかしら?


そう思いながら宿題を続けていた。


夕食、どうしようかな?
でも、なんだか食欲もない。


そう思いながら、お湯を沸かして紅茶でも淹れようかと立ち上がった処に、
控えめなノックの音がした。


ドアを開けると、
アラムが立っていた。


/323ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ