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全部、夏のせい
第6章 結婚

ホテルにチェックインする前に、
少し早めにレストランに入って、
夕陽でも観ながらブイヤベースを食べようかと言って、
海に面したお店に入った。
たいして混み合って居ないのに、
私達は窓際のテーブルではなくて、
お店の一番奥の、
お手洗いの入り口のすぐ横の狭いテーブルに案内された。
これ、差別よね?
私は少し怒ってしまって、
お店のスタッフさんに、
「あちらの窓際の席に変えてください。
テラス席でも良いんだけど?」と言うと、
少し小馬鹿にしたような顔で、
「こちらしか、空いておりません」と言うと、
奥に行ってしまう。
ソムリエバッジをつけた別のスタッフがやって来て、
ワインリストをアラムに渡す。
アラムはアルコールを飲まないので、
ガス入りのお水を頼んで、
「彼女には一番高い白ワインを」と、
ワインリストも見ずに言った。
愛想笑いをしたソムリエが一度下がって、
ワインやワインクーラーをワゴンに載せて運んで来て、
優雅にワインを開けて、
作法通りにアラムにテイスティングを薦めるので、
「彼は宗教上の理由でアルコールはいただきませんので、
私に…」と言って、テイスティングをして、感想を述べて頷くと、
改めて私のグラスにワインを注いだ。
奥からオーナーのような男性が出て来て、
愛想笑いを浮かべながら、
お席を変えましょうかと言い出すので、
「あら。
ご予約で一杯なんでしょう?
ここのお席、
臭いが気になってワインが美味しく感じません。
アラム、もう、帰りたいわ?」と言うと、
「そうだね。
行こうか?」と言うと、
黒いカードを出して、
「会計を」と言った。
必死に謝っているオーナーらしき人に、
「謝っていただくことはありません。
予約が一杯で、こちらの席しかなかったと、理解してます。
それとも、東洋人とアフリカ系のカップルは、
このお店には相応しくないと思われたから、
このお席だったんですか?」と言って、
「このワイン、どうぞお飲みになって?
保管方法、もう少しきちんとされないと、
ワインに失礼ですよ。
ソムリエさんにも伝えてくださいね?」と言った。
アラムが椅子を引いてエスコートしてくれて、
腕を組んでお店を後にした。
少し早めにレストランに入って、
夕陽でも観ながらブイヤベースを食べようかと言って、
海に面したお店に入った。
たいして混み合って居ないのに、
私達は窓際のテーブルではなくて、
お店の一番奥の、
お手洗いの入り口のすぐ横の狭いテーブルに案内された。
これ、差別よね?
私は少し怒ってしまって、
お店のスタッフさんに、
「あちらの窓際の席に変えてください。
テラス席でも良いんだけど?」と言うと、
少し小馬鹿にしたような顔で、
「こちらしか、空いておりません」と言うと、
奥に行ってしまう。
ソムリエバッジをつけた別のスタッフがやって来て、
ワインリストをアラムに渡す。
アラムはアルコールを飲まないので、
ガス入りのお水を頼んで、
「彼女には一番高い白ワインを」と、
ワインリストも見ずに言った。
愛想笑いをしたソムリエが一度下がって、
ワインやワインクーラーをワゴンに載せて運んで来て、
優雅にワインを開けて、
作法通りにアラムにテイスティングを薦めるので、
「彼は宗教上の理由でアルコールはいただきませんので、
私に…」と言って、テイスティングをして、感想を述べて頷くと、
改めて私のグラスにワインを注いだ。
奥からオーナーのような男性が出て来て、
愛想笑いを浮かべながら、
お席を変えましょうかと言い出すので、
「あら。
ご予約で一杯なんでしょう?
ここのお席、
臭いが気になってワインが美味しく感じません。
アラム、もう、帰りたいわ?」と言うと、
「そうだね。
行こうか?」と言うと、
黒いカードを出して、
「会計を」と言った。
必死に謝っているオーナーらしき人に、
「謝っていただくことはありません。
予約が一杯で、こちらの席しかなかったと、理解してます。
それとも、東洋人とアフリカ系のカップルは、
このお店には相応しくないと思われたから、
このお席だったんですか?」と言って、
「このワイン、どうぞお飲みになって?
保管方法、もう少しきちんとされないと、
ワインに失礼ですよ。
ソムリエさんにも伝えてくださいね?」と言った。
アラムが椅子を引いてエスコートしてくれて、
腕を組んでお店を後にした。

