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体育倉庫の狂宴~堕落する英語教師~
第30章 30
尤もその一方で、涼子は絶頂に届かない“快感”に溺れるこの壮絶な『苦悶』を、果たして『苦悶』と呼んで良いのかどうか、悩んでいる。

何故なら――例えば、大きく目を見開いて、唇をラッパのように突き出し、

「うッふううぅぅッ!!」

と喘いだり、或いはギュッと固く目を瞑って、その歯の全てを見せつけるように唇を真横に引き攣らせて、

「んんんッんんッくうぅぅ~~ぅぅ……」

と悶えたりする、その目まぐるしく変化する表情のその何れにも、頬には必ず“微笑”が漂っている、その自覚が涼子にはあるからだ。

加えて、喚き散らす全ての喘ぎ声は、“女の悦び”の響きを纏っているから、涼子は思う。

(こんなに苦しいのに、こんなに嬉しそうな声しか“出せない”なんて……もしかしたらもう、『狂っちゃってる』のかも、知れない……)

そんなことを考えているうちに、涼子に新しい問題が発生する。

               ☆☆☆☆☆

それは、最初は実に小さな問題――小さい“尿意”だった。

しかしながら、なおも弛まないクリトリスへの、レンヤの舌の愛撫を受けていると、その快感の大きさに触発されるように、その“尿意”は大きく成長した。

(ど、ど、どうしよう……?)

涼子は焦った。

(出ちゃいそう……)

そして――やがてはレンヤに報告せざるを得ない事態へと繋がった。

               ☆☆☆☆☆

その時レンヤは、円を描くように動かしている舌先で、涼子のクリトリスをじんわりと転がしていた――涼子はそんな彼に、喘ぎ声の合間を縫って、“暗に”、その事態を報告した。

「レッ、レンヤ君ッ――くふぅぅぅは!――おトイレに、行かせてッ!――あふぅぅぅは!」

レンヤが、舌の動きを止めて、聞いた。

「どうして……?」

(『どうして?』って、そんなの決まってるじゃない……?)

涼子はそう思いながらも、今度は――何となく気恥ずかしくて“オシッコ”という言葉は用いたくなかったものの――“明確”に、その事態を説明した。

「オシッコが、出そう、なの……」
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