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体育倉庫の狂宴~堕落する英語教師~
第4章 4
だらしなく前髪を伸ばしたその茶髪を、涼子が常々鬱陶しく思っている新谷マモルは、細い身体つきの男をしていて、その外見通りに軽薄で、自己中心的な考えを持っている男だった。
口数が多く、いつも下らない冗談を言っては、ヘラヘラと笑っている。
その際、マモルの口角は、奇妙なまでに吊り上がる。
その吊り上った口角と、垂れ下がった目尻とが相俟った挙げ句、そんなマモルの笑顔はいつも涼子にトランプのジョーカーを思い起こさせる。
もちろん、個人の生来の容姿については、とやかく言うべきではないと涼子は思っている。
しかし、少なくともマモルに関しては、四六時中浮かべている軽薄な笑みが、その顔に染み付いてしまったのではないかと、涼子はそう勘繰っている。
☆☆☆☆☆
船井ヒデアキは、今時は不良の間でも流行らないであろうリーゼントの髪形を誇っている。
一昔前なら“二枚目”と称されたであろう、彫りの深い顔立ちだ。
その態度は横柄で、特にその乱暴な口調はマサムネにも引けを取らなかったが、いわゆる『弱い犬ほどよく吠える』というやつで、実は相当に小心者であることを涼子は知っている。
つまるところ、他の三人と群れてこそ発揮できる、横柄な態度と乱暴な口調の持ち主だった。
しかしながら、そんな本人の性格は別として、中肉中背の体格はなかなかに逞しい。
どうやらそれは小学生の頃に打ち込んでいた、水泳によってもたらされたもののようだ。
口数が多く、いつも下らない冗談を言っては、ヘラヘラと笑っている。
その際、マモルの口角は、奇妙なまでに吊り上がる。
その吊り上った口角と、垂れ下がった目尻とが相俟った挙げ句、そんなマモルの笑顔はいつも涼子にトランプのジョーカーを思い起こさせる。
もちろん、個人の生来の容姿については、とやかく言うべきではないと涼子は思っている。
しかし、少なくともマモルに関しては、四六時中浮かべている軽薄な笑みが、その顔に染み付いてしまったのではないかと、涼子はそう勘繰っている。
☆☆☆☆☆
船井ヒデアキは、今時は不良の間でも流行らないであろうリーゼントの髪形を誇っている。
一昔前なら“二枚目”と称されたであろう、彫りの深い顔立ちだ。
その態度は横柄で、特にその乱暴な口調はマサムネにも引けを取らなかったが、いわゆる『弱い犬ほどよく吠える』というやつで、実は相当に小心者であることを涼子は知っている。
つまるところ、他の三人と群れてこそ発揮できる、横柄な態度と乱暴な口調の持ち主だった。
しかしながら、そんな本人の性格は別として、中肉中背の体格はなかなかに逞しい。
どうやらそれは小学生の頃に打ち込んでいた、水泳によってもたらされたもののようだ。