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体育倉庫の狂宴~堕落する英語教師~
第37章 37
沈黙が流れた――その沈黙の中で、空気が孕む緊張は、いよいよ重くなった。
やがて、その重さに耐え切れなくなったように、奈津子が動いた。
力ない足取りで、ハードルに座って並ぶ三人の男子の前を通って、引き戸に向かう。
然る間にその引き戸に手を掛けた時、レンヤが奈津子の背中に向かって、言った。
「ちゃんと“雑巾”は用意してあるから……」
如何にも“意味ありげ”といった感じの口ぶりに、真由子は真先に果たしてその“雑巾”が何であるのか察したようだった。
「うわ、悲惨……」
と、彼女は呟いた――その一言に他の生徒達も、“雑巾”の正体に気付いたようだった。
ハードルに座っている、普段は“冷淡”な三人の男子達でさえも、憐れむような目で奈津子の背中を見た。
早苗と千春は、最早同情の仕方が分からないといった感じの面持ちをした挙げ句、もう奈津子には“無関心”だった。
そして奈津子は――きっと泣いているんだろう――その肩を細かく震わせながら引き戸を開けて、体育倉庫を出て行った。
やがて、その重さに耐え切れなくなったように、奈津子が動いた。
力ない足取りで、ハードルに座って並ぶ三人の男子の前を通って、引き戸に向かう。
然る間にその引き戸に手を掛けた時、レンヤが奈津子の背中に向かって、言った。
「ちゃんと“雑巾”は用意してあるから……」
如何にも“意味ありげ”といった感じの口ぶりに、真由子は真先に果たしてその“雑巾”が何であるのか察したようだった。
「うわ、悲惨……」
と、彼女は呟いた――その一言に他の生徒達も、“雑巾”の正体に気付いたようだった。
ハードルに座っている、普段は“冷淡”な三人の男子達でさえも、憐れむような目で奈津子の背中を見た。
早苗と千春は、最早同情の仕方が分からないといった感じの面持ちをした挙げ句、もう奈津子には“無関心”だった。
そして奈津子は――きっと泣いているんだろう――その肩を細かく震わせながら引き戸を開けて、体育倉庫を出て行った。