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第11章 １１

“うっすらと開いた”涼子の唇に、レンヤが“閉じた”唇を重ねると、自ずと涼子はレンヤの唇を咥える形になった。

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時に、涼子がレンヤとキスするのは、これが初めてではない。

（他の三人の男子も含めて）今までに興じた四回の“狂宴”の際には、何度もしている。

尤もその場合は常に、“嫌がる”涼子に、男たちが“無理矢理”舌を差し込む形だった。

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しかしながら、今回は少々事情が違った。

涼子はその日初めて、レンヤと『キスしたい』と思っていた。

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ここに至るまでに重ねた“罪”への罪悪感が、依然として根強く涼子の中にあった。

“クンニリングス”を受けている真由子の恍惚の表情に、憧れを抱いてしまった。

早苗の“優雅”なフェラチオに、見惚れてしまった。

フェラチオの未熟さをヒデアキに叱咤された千春を、“一瞬”とは言え軽蔑してしまった。

生徒たちの“狂宴”を眺めているうちに乳首を勃起させて、秘部を濡らしてしまった。

挙げ句の果てに――涼子が誰よりも愛着を抱いていた筈の奈津子に対して、はしたない優越感を抱いてしまった。

ペニスの勃起の告白とともに、レンヤが奈津子よりも自分に“女”としての魅力を感じてくれたことに、並々ならぬ優越感を、抱いてしまった。

涼子はこれらの罪悪感に、未だに苦しんでいる。

だからきっと自分は――新しい“罪”をさらに重ねる危険を冒してでも――この忌々しい罪悪感から逃れる方法を、レンヤとのキスに求めていたのだろう……。

レンヤとのキスに夢中になることで――例え刹那的でも――安息を得たかったのだろう――などと思ったのは、これから始まるレンヤとのキスが、終わった後のことだ。

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取り敢えず今は、涼子はただただ、レンヤのキスを欲していた。