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体育倉庫の狂宴~堕落する英語教師~
第13章 13
ところでレンヤは、涼子の舌を載せた自身の舌を、やはりまだ動かす気配を見せない。

               ☆☆☆☆☆

涼子が舌を差し込んでから、涼子は既に「ハァ、ハァ」という“欲情”した、でも未だにレンヤに“遊んでもらえない”――が故に切ない溜息を、十七回は繰り返している。

               ☆☆☆☆☆

そして十八回目の溜息を吐きながら、涼子は真剣に――自分でも驚くほど“真剣”に――レンヤを、恨んだ。

(“意地悪”過ぎるわ……)

涼子は思った――もしもこの美少年が、他人の感情に対する単純な想像力の欠如で”意地悪”をしているなら、ここまで腹を立てなかった。

でも、そうではない――レンヤは分かっている。

必死の哀訴の果てにも、キス”すら”与えられない女の切なさと、”欲情”した肉体を自分でも情けないほど悩ます、その”もどかしさ”を、彼は”完璧”に理解している。

その上で、涼子をなおも焦らして、楽しんでいる――だからこそ涼子は余計に、腹立たしかった。

               ☆☆☆☆☆

然る後、十九回目の溜息を付く寸前に涼子は、はたと自分に出来ることに思いが及んで、十九回目の溜息を付きながら、それを開始した。

涼子はレンヤに重ねている舌を動かした――ゆっくりと――本当は前後に動かしたかったのだけど既に限界に達しているから、仕方なく――左右に揺らした。

そうやって、レンヤの舌に『媚びた』――媚びているうちに程なくして、レンヤの舌が彼の喉元にまで、引っ込んだ。

(もうッ!)

また、“意地悪”をされたのだと、涼子は思った。

レンヤに対する苛立ちも限界を超えて――思わず怒鳴りそうにすら、なった。

でもだからこそ――怒鳴ろうとしたその寸前に、クルクルと回るレンヤの舌が深々と、涼子の舌に絡み付いた――その“十一秒”後に感じた涼子の嬉しさは、感極まるものだった。

               ☆☆☆☆☆

因みにその“十一秒”間は、涼子には嬉しさに浸る“余裕”が、なかった。



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