パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第13章 １３

レンヤの舌が絡み付いて――涼子が閉じていた両目を大きく見開いた直後から、涼子は声を漏らした。

「ハァンっ――ファァァ……アハァ！――ファファァァァ……アファンっ――アハァン……」

弾むような響きと、粘り付くような響きが不規則に混在した声だった。

そんな――舌の上を撫でられている時とは違う、でも自分の耳で聞いて“恥ずかしい”という点では全く変わらない声を上げるのに、涼子は“十一秒”間、精一杯だった。

だから、涼子に嬉しさを感じる余裕など、まるでなかった

　　　　　　　　　　　　　　　☆☆☆☆☆

やがて――『恥ずかしい』声を漏らしながら過ごした“十一秒”後に、ようやく涼子は――やはり、

「ファンっ、ファファ！――ファァっ、ファァァン……アッファァン……」

と、『恥ずかしい声』を漏らしながらだが――

（ああっ、やっと！――やっと……レンヤ君の舌が……私の舌を、撫でて、くれた……う、嬉し、いっ……）

――そんな、念願叶えられた“純粋”な歓喜に、浸ることが出来た。

　　　　　　　　　　　　　　　☆☆☆☆☆

レンヤの舌は、クルクルと回る。

まるで穏やかな風に吹かれる風車のように、小気味よく回る。

そんなレンヤの舌が織り出す、その“渦”の中心に舌を据えておけば、涼子はたったそれだけで、相応の快感を享受出来た。

レンヤの柔らかい舌に、自分の舌を軽やかに擦られる都度、思わず内股に力が入ってしまう刺激が、パチパチと弾けた。

（気持ちイイわ……とっても、気持ちイイ……）

　　　　　　　　　　　　　　　☆☆☆☆☆

その刺激に涼子は逆上（のぼ）せて、心地良い『熱』に魘（うな）され、そして魘されているうちに、“性感”が凝縮された自身の舌ですら、無闇に他人に見せてはならないような、卑猥な物に思えてくる。

しかしそんな”発想”がまた、涼子を今まで以上に――ムラムラと”欲情”させて、その挙げ句涼子は、今まで以上に”大胆”な行為の、着想を得た。

　　　　　　　　　　　　　　　☆☆☆☆☆

然る間に、涼子は――自分でも気付かないうちに――と言えば、嘘だ。

明らかな意志によって、“卑猥な”舌を自分の口に戻して、さらにレンヤに重ねていた唇も、離した。