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体育倉庫の狂宴~堕落する英語教師~
第13章 13
――ぬちょねちゃ、ねちゅのちゅ、ねちゅっ、ぬちゅっ――

深々と絡み合う舌同士が立てる、そのけたたましい音は、獅子が兎の生肉を引き千切る光景を、涼子に想像させる。

その残酷な光景を脳裏に描いて、涼子はまた『熱』に魘される――しかし今度はもう“心地良い”とは形容出来ない、頭がクラクラするような、『熱』だ。

興奮――興奮――興奮、していた。

               ☆☆☆☆☆

――にゅるっ、ぬつーーっ、ぬちょっ、ねちゃぁぁ……ねぇぇっちゃぁぁぁ――

その粘着性に満ちた音に包まれて、涼子は今、身体の至る部分に鳥肌を立てている。

その鳥肌の上に、ダラダラと汗を流している。

そして涼子は、そんな熱い身体に”寒気”を覚えている。

「ハァ、ハァ、ハァァ――ハァァッ、ハァァ……」

乱れた溜息を繰り返しながら、”寒気”を覚えている。

なるほど、と思った。

身体に抱えきれない、限界を超えた興奮は時として、”寒気”を生むのだ。

涼子はそれを生まれて初めて、その身でもって、知った。

               ☆☆☆☆☆

なおも二人の舌は、絡み合う――絡み合って、尖った舌先は、相手の舌の根元にニュルニュルと抉(えぐ)り込む。

抉り込みながらも、やはり“回る”。

そんな二人の舌は、まるで二匹の蛭(ヒル)がのた打ち回っているように、見える筈だ。
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