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妄想短編集
第1章 抱きしめてほしいだけ
あれから1週間ほど経ち、心が満たされた私は今日も元気に倉庫で在庫を確認していた。
抱きしめてもらったおかげで、精神が安定しているようだ。




『何か探してるの?』



仕事をしていたら、
部長が声をかけてきた。



「お疲れさまです。こちらの商品の在庫確認をしています。」



『手伝うよ』



パタンと倉庫の扉が閉まった。




「いえ、でも部長お忙しいですし…」





『ちょっと疲れちゃってさ』




部長が時々出すこの甘えた感じ、話を聞いてほしい時に出す言葉だと思い声をかけた。




「色々めまぐるしいですもんね」

「私で何か癒やすことができれば良いのですが…」



と、何かお役に立てないものかと考えていた。



『そしたら…癒やしてくれる?』




え?っと驚いてしまったが、自分より何歳も離れている男性に、頼られるような、甘えられた感じが母性をくすぐるのか可愛らしく感じる。



「もちろんです。私にできることがあれば!何かありますか?」



『それじゃ、この間のしてくれたら俺癒やされるかも』


「えっ…あぁ!ハグですか?」


まさか部長からそんなこと言ってくれるなんて思わなかった。 
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