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マゾ女調教のなれの果て : こんな生き物にされたいですか?
第9章 謎
「こんにちは。この前、動物のいない動物園についてチャットした者です。ひよりさんの話をしましたよ。どうぞよろしく」
「ん? こんにちは。ひよりとはなつかしい名前ですね。ただ、そういうチャットをした記憶はないのですが、どういったご用でしょうか?」
「カカオで話したいとあなたがこのIDを教えてきたんですよ。」
「なるほど、それは私ではないですね。別の人です。ちなみに男でした? 女でした?」
「じゃ、なりすましですね。自称 女 でした。」
「心当たりがないわけじゃないです。」
カカオに打ち込まれる文章で分かる。これは男だ。面白くなってきたな。さらに話を進める。
「ひよりさんが書いた脚本が使い物にならなかったという話でした。」
「脚本ですか、もう10年前ですね。」
「そうですか、あなたはどういう人なんですか?」
「過去にひよりを調教していたことはあります。最近はそのことを言われることもなくなってきたので、ほとぼり冷めたものかと思ってました。」
「その女は自分とひよりさんとの関係を上司と部下のようなものだと言っていました。」
「はいはい。上司と部下ね~。未熟者に分不相応な仕事を任せたのは私の不徳ですね。あれには悪いことをしたと思ってます。」
「脚本のことですか。」
「そうです。結局、独りよがりなものしか作れず。少なくとも、見る人を自分の世界に巻き込まなければ、舞台っていうのはダメなんですよ。それにはまず自分の世界を開陳しなければいけない。彼女にはそれが根本的に足りてない。だから熱がなかった。」
「この前チャットで話した女はひよりさんの現況を知りたがってました。」
「そうか、いやな女だね。」
「おちぶれた様を嘲笑したかったらしいです。ひよりさんに敵意がある口調でした。」
「よっぽど恨んでるんだろうね。」