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マゾ女調教のなれの果て : こんな生き物にされたいですか?
第10章 満月(まんげつ)という女
そして満月の言葉は続く。
「今日はちょっと難しいのですが、一度通話はできますか? お騒がせしてしまったので、きちんとお詫びとお礼のご挨拶をするようにとご主人様から申し付かっております。」
なんか面倒だなあと思い、つっけんどんな返事をした。
「ああ、そんなのいりません。これまでの会話で十分です。」
しかし満月はひるまない。
「それでは私の気もおさまりませんし、ご迷惑でなければ、ぜひ」
「自分のためにお礼したいっていうことなら壁に向かって話しておけばいいんじゃないですか。」
「ごめんなさい。ご迷惑でした? 感謝の気持ちをお伝えしたくて・・・」
「会話の内容が想像できてしまうので、あえて会話することに関心がもてません。」
「そうですか・・・そうかもしれませんね。たまたま知り合っただけといえばそれだけですし、マゾとしての私にご興味をいただけなかったのは残念ですが、無理をお願いするのも、かえって失礼になってしまいますね。」
「マゾとしては興味ありますが、どうしても自分のためにやりたいということにはお付き合いしません。」
『マゾとしての私にご興味をいただけなかった』ってどういう意味だろう。恋焦がれた男にいたぶってもらえて喜んでるんじゃないのか。ほかの男も欲しいのか。マゾというより淫乱じゃなかろうか。この日はこれで会話が終わったが、翌日、ちょっと冷たすぎたかなと思い直して、カカオで次のメッセージを送った。
「昨日は言葉足らずだったように思いますので補足します。ご主人様にいたぶってもらえて本当に嬉しかったんだろうなと思うし、良かったねえ、と思います。その気持ちは十分に伝わっています。ただそれ以上にあらためてお礼と言われると、もうこれでいいじゃないか、これ以上何を言いたい? と思い、お礼の押し売りのように感じてしまいました。まあ、それほど嬉しかったんでしょう。よかったですね。」
2日後に、カカオに満月からメッセージが入った。
「今、少しビデオチャットはできませんか?」
「何をしたいんですか?」
「少し雑談ができれば」と満月。