この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
cape light
第3章 会いたい人とか会いたくない奴らとか
 断っておくが、このおばあさんは花火が嫌いだとは一言も言っていない。花火好きを敵に回している僕だって、どこかで偶然に打ち上げられた花火を見たら「おっ、花火か」ぐらい言っていると思う。まぁ金を払ってまで見たいとは思わないが。
 お爺さんがいたので貸し切り風呂にはならなかったが、ほぼ貸し切り状態の飛燕の展望風呂で、湯に浸かっていた僕は立ち上がった。腕を組んで仁王立ちになる。どうやら僕はこのスタイルにこだわりがあるのかもしれない。腕を組んで仁王立ち。
 雲はあるが晴天(もちろん僕は雨を期待している。豪雨でも一向に構わない)。青い空、青い海、でもって佐渡島。僕の視界の右端に霊峰弥彦山。  
 僕は今しみじみ平和を感じている。戦いなんて真っ平御免だし、誰かを傷つけたり、誰かから傷つけられることもお断りだ。大した冒険をしているわけではないが(こんなことを言ったら元も子もないが)、こういう気分に浸れるのも温泉と眼前に広がる海のお陰だと思っている。
 河口の端のちょっと高いところにへばりつくようにして建っているリサイクルショップで働いていても、海を見ることなんかほとんどないし、潮の香りも僕の鼻孔は通らない(ちなみに僕は鼻炎ではない)。
 おまけに店長久須美からは毎日次の言葉のどれかを聞かなければならない。
「坂口君、全然ダメ」
「坂口君、目標額にあと○○円足らないね」
「坂口君さ、売れなかったら努力しようよ。だって坂口君、経営学部なんでしょ」
 幸いなことに精神的なストレスは溜まらない。僕のストレスは空腹一本。僕はいつも腹が減っている。慢性的な飢餓状態にある。人間飢えていると説教なんか頭に残らない(僕の場合)。
 長岡花火→焼きそばの屋台→売れるわけないじゃん→チャンス到来!
 売れ残りは僕の腹の中に。これしか今の自分を奮い立たることはできない。
 そうだ、問題は売れ残った焼きそばの保管場所だ。事務所にある冷蔵庫ないしは冷凍庫。これだけでは足りない。いっそのこといっちゃんに頼もうか。いっちゃんの家の冷蔵庫と冷凍庫も入れておくことにしよう。でも焼きそばを冷凍庫に保管できるのか。取り合えず凍らせておけば後々腹に入れることはできるだろう(南極って多分こんな感じで飯食ってんじゃないの)。これでいこう。これで数日僕は飢えから解放される。
/31ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ