この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
cape light
第3章 会いたい人とか会いたくない奴らとか
 風呂で生き返ってもすぐに地獄に落とされる。ホテル飛燕を出ると外は灼熱の暑さ。新潟の夏はクソ暑いし、冬はクソ寒い。
 二百mくらい歩けばlighthouseに着くが、灼熱地獄の中二百mは歩きたくない。頼むから誰か僕を拾ってlighthouseに届けてくれないだろうか。高級車の後部座席でなくていい。エアコンがない軽トラの助手席で十分だ(作者よりお詫び。軽トラに乗っているみなさま、申し訳ございません)。
 だが人生はそう簡単に前には進まない。マイタオルを頭にのせて、僕は観念して歩きだす。すると僕の脇を高級外車が通った。この高級外車に乗る誰かは、日帰りではなく、ホテル飛燕に宿泊するのだろう。ひょっとしたら長岡花火を見に来た観光客かもしれない。僕は確信した。僕は偉くはならないだろう。いや、なれないだろう。経済的に恵まれた生活は期待できない。つまり、僕が高級外車のハンドルを握ることは絶対にない。でも、高級車のハンドルを握ることだけが人生ではない、と僕は僕を慰める。
 まじで暑い。せっかく温泉に入ったというのに、背中から汗が流れる。「夏のバカヤロー」僕は大声でそう叫んだ。数十年前に流行ったトレンディードラマの台詞しか言えない絶望的な僕のセンス(当時の脚本家に知り合い無し)。
 だらだら歩きながら何とかlighthouseに着いた。店に入る。客のためにギンギンに冷えている店内。生き返った……と思った次の瞬間、僕は真っ逆さまに地獄に落とされた。
 どこかで見た顔の男が二人、僕を見つけるとやつらは僕を指さして、でもって腹を抱えて笑った、もとい、笑いやがった。
「どひぇひぇ」とか「ぶふぁぶふぁ」とか、おおよそ人間ではないような笑い声だった。
 僕に纏わりついて離れない疫病神二人。
 僕にはこんな友達しかいないのだろうか? 違う、疫病神は友達なんかではない。振り返れば中学時代高校時代の友達だった奴ら(僕だけがそう思っていただけなのかもしれない)とのやり取りが少なくなってきた。もしかしたら、僕には友達がいないのだろうか。
 まぁ友達が多いとか少ないとかで心が揺れることなんて僕にはない。不安はただ一つ。常に腹が減っているということだ。この日本で、餓死だけは避けなければいけない。
 経済大国日本(経済大国日本なんて死語ですが)で餓死、なんて新聞記者だけを喜ばす死に方だけはしたくない。
/31ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ