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cape light
第1章 ラブホでの攻防
 ハート形のまぁまぁ大きな湯舟。まぁまぁとは大人が五人くらいは入れる大きさのことを言う(僕の中での定義)。
「お前、常識ないよな」
「それどういう意味よ」
「そのまんまの意味だよ。常識ある人間は湯舟に浸かる前に体を洗う」
 くそビッチ玲奈はバスルームに入るといきなり湯舟に逃げ込んだのだ。
「バケルも体洗わなかったじゃない」
「チッチッチッ。僕は先ほどいやというほど体を洗いました。お前見てただろう?」
「だったら私もそのとき洗ったわよ」
「チョロチョロと洗っただけじゃん。僕は体の隅々までしっかり洗いました」
「ラブホでしっかり洗う方がおかしいのよ」
「お前さ、僕の生活環境知ってるよな?」
「完璧ホームレスじゃん」
「ホームレスではありません。テント生活を送ってるだけです」
 真夏の新潟で、僕はまじでテント生活している。
「それをホームレスというのよ、バケルのアホ」
「言い訳するわけじゃないが、あれは社長の命令なの。僕だってね屋根のついたお風呂もトイレもある家に住みたいわけ。でもね、社長がそれを許してくれないんだよ」
「それってバケル自身の問題でしょ。確かバケルは冒険をしてるんだよね」
「してますよ。壮大な冒険を河口の端にへばりつくようにしているリサイクルショップで」
「その言い方むかつくのよね」
「僕だってね、生活環境さえ整えば心にゆとりができますよ。毎日お風呂に入りさえすれば清潔でいられますよ。でもね、新潟の夏がクソ暑すぎるの。新潟って確か雪国だよね。冬は知ってますよ。雪は降るわ台風並みの風は吹くわ、そんな中でも店には客は来るわ。いったい何なのよここは?」
「新潟です」
「その新潟で生きていくためには、使えるものなら何でも使わないと生きていけないんだよ。屋根付きの風呂付のラブホに入れば体をガチ洗いするのは冒険者にとっては当たり前のことなんだ。わかれよ、それくらい」
「全く理解できません。ていうか理解したくありません」
「そして男は抑えきれない性欲と常に戦っているんだ。だからやらせろよ」
「バケル、また惨めになるだけだからさ」
「なりません。僕の世界遺産は必ずや復活してくれます。だから僕の国宝をあなた様のお口に含んでくださいませ。お願いです」
 僕はそう言って玲奈に頭を下げた。僕の国宝は先ほどからずっと頭を下げている。
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