この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
cape light
第2章 花火なんて大嫌いなんですよ、僕は
「わかりません。ここリサイクルショップですよ。百歩、いや五万歩譲ったとしてもわかりません。まずリサイクルショップと長岡の花火にどういうつながりがあるんでしょうか? それにですよ、ここから花火見えませんよね。花火が見えないのに花火大会を利用するってせこいです。さらに言えばリサイクルショップが屋台を出して焼きそば売るなんて間違ってます」
 この台詞、僕は何度久須美に言っただろうか。
「じゃあ一つ一つ説明するよ。まずここは長岡市なんだよ。合併前は寺泊と言っていたけどね。花火が見えない? 坂口君、想像力だ想像力。心の中に花火が見えればいいんだよ。それにね、lighthouseでも屋台は出せるんだよね。だから坂口君にも保健所の講習会に行ってもらったんだ。おまけで言うと、僕と福さんは調理師の免許を持ってるんだよね。最強でしょ?」
「だったらリサイクルショップなんて閉めて焼きそば屋でもすればいいじゃないですか」
「坂口君、経営学部だよね?」
 出だこの台詞。
「経営学部は関係ないです」
「大いに関係あるよ。ここで焼きそば売っても経営が成り立たないのよ」
「じゃあ何で屋台なんか出すんですか?」
「年に一回だけのイベントだから人が集まるの。年に一回、ここポイントね。人間はその年に一回の行事を心待ちにしてるのよね」
「美味いんですか?」
 作った焼きそばが不味いでは話にならない。
「坂口君、それ僕と福さんに対する侮辱だよ」
「先輩、結構美味いんですよ」
「一直、結構はいらないから」
 福さん、いっちゃん対しても圧力をかける。これ立派なパワハラですから(パワハラに立派は必要ないですが)。
「店長、私ファーロのほうがあるから」
 ずっと黙っていた森川玲奈がここで初めて久須美にそう言った。
「ノープロブレムだよ玲奈ちゃん、玲奈ちゃんはファーロの人なんだからさ。ファーロは今年もパスタとピザのセット?」
「はい」
 イタリア料理のレストランファーロも屋台で料理を売る。ただし屋台には店で作られた商品が並ぶだけだ。限定百食はあっという間に売り切れるといっちゃんから僕は聞いた。
 だったら屋台なんてファーロに任せればいいじゃないかと僕は何度も久須美に言ったが、久須美は僕の忠告を無視し続けている。
 ついでに僕は焼きそばの売れ行きをいっちゃんに訊ねたが、いっちゃんは笑って胡麻化した。
/12ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ