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暗い部屋の中の 水音
第3章 洋美

目覚めた時

白い天井が目に映り 

・・・此処は?・・・

足元に座る母親の姿を見て

「お母さん 何? どうして? 私・・・」
自分の手首に巻かれた包帯を見て 記憶が無い

「 これ どうしたの? 」
母親に聞いたが 哀しそうな顔で答えて呉れなかった

「 帰らないと 隆 一人にしておけない 」
洋美は 起き上り焦って 母親に退院させろ 
家に帰る 隆が待って居ると訴えたが 
母親は 何も言わず 
洋美をベッドに寝かせつけて来た

二日ほどで 洋美は退院したが 
隆の処では無く 実家に連れ帰られ
洋美は帰ると 母親に訴えたが 
隆が長期の出張で マンションに居ないから
洋美は実家に帰ったと言われ 

洋美の携帯は水に浸かり
使えなくなったと 教えられた

洋美は毎日 隆からの連絡を 待ち続け
電話が鳴ると 飛ぶように走り
落胆する 日々を送っていた

「お母さん 隆さんの実家の電話番号・・」
洋美の言葉に 母親は悲しそうに俯き

「ご迷惑だし 電話番号は判らないと 諭され」
洋美は毎日隆からの電話を待ち続けて居た
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