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暗い部屋の中の 水音
第4章 真奈美
土曜
待ち合わせの場所で 美香と合流し 真奈美の部屋へ
「狭いけど 楽にして」
美香は部屋を見回し 何も無いのねと呟いた
「女一人 余計な物要らないもん」
真奈美が言うと肩をすくめ
「そうよね」
「お風呂 行こう 帰りにお酒と摘まみ」
真奈美は洗面器を出して 美香を見た
「お風呂 付いて無いの?」
美香が驚いた顔をした
「行くけど 銭湯なんて初めて」
「風呂無し 6畳一間 私には丁度良いのよ」
真奈美が言うと肩を竦め 銭湯へ向かった
銭湯で湯に浸かり 気持ち良いね 体温まる
桃色の肌を 上気させ美香が髪を拭いていた
二人帰りがけ 酒屋でビールとワイン
軽い摘まみを幾つ抱え 真奈美の部屋へ戻り
学生時代を思い出す様に ビールを飲み
ワインを片手に 笑い転げ 何時の間にか
お互いの夫婦生活と 離婚の経緯を話していた
「美香 仕事は?」
真奈美が聞くと
「近くのスーパーで パート そろそろ本格的に就職しないと」
「子供の学費も有るから 何時までも親には頼れないしね」
不安そうに呟いた
「真奈美は 再婚しないの? 良い人居ない?」
「 良いわ・・・ 私、自分で蒔いた種で離婚したから 一人で良いの」
美香を見て 呟き 佐藤の姿を思い浮かべ 首を振っていた