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女優なんて…
第8章 村長の妻 君枝

こうして事後処理のために性器を拭っていても
隣との部屋を隔てている襖はカタカタと振動を続けていた。

涼風あかねと広報課の優美子のあえぎ声が
もはや隣室に樹(いつき)が控えていることさえ忘れて大きくなってゆく。

「すごい!村長さん、凄すぎるぅ!!」

「だめぇ!監督、もうダメぇ壊れちゃう!!」

女二人の悶えに応えるかのように
二人の男は腰の動きを加速させたのか
襖のカタカタ音をやがてガタガタと激しく揺れだした。

樹(いつき)と村長の妻である君枝は
襖の隙間から食い入るようにフィニッシュへ向かう二組の男女の営みを覗き見ていた。

「すげえな、おっさん達…
僕が奥さんに挿入する前から入れていたのに
僕が終わったと言うのにまだ持続しているよ」

「夫は…私とセックスしていた時は
あっさりと終わってしまったのに
若い女相手だとあんなにも頑張れるなんて…」

君枝は樹(いつき)に抱いてもらって満足していた顔つきだったのに、広報課の女をあそこまで狂わせる夫の精力に、いつしか歯軋りをして悔しがった。

「奥さん、嫉妬しないでください
男はね心底惚れている女とセックスすると
案外と我慢できなくなってすぐに射精してしまうものなんですよ」

フォローしたつもりだったのだが、
かえって君枝の対抗心を燃え上がらせてしまったようで
「あなた、まだまだ頑張れるんでしょ?
そうよ、あなたさっき私の尻の穴を犯したいと言ったじゃない!
今すぐ、アナルセックスをして頂戴」

不意にそう言われても
潤滑油がなければ拡張の調教をしていないので
すんなりと挿入できるわけがない。

そのように君枝に話すと
「いいわ、マッサージオイルでよければ母屋にあるの。
今すぐ取ってくるわね」と
全裸のまま母屋へ向かって飛び出してしまった。


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