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女優なんて…
第9章 村を出てゆく
「お話はありがたいんですけど…
役場を辞めたこの機会に、私、お芝居の事を真剣に学んでみようかな…なんてね」
私は助役さんから紹介していただいた名刺を
涼風さんに見せた。
「ふ~ん…『劇団 陽はまた昇る』ねえ…」
あまり聞いたことのない劇団ね
名刺を見つめて涼風さんは考え込んだ。
そして妙案を思い付いたように
パンと両手を叩いた。
「わかったわ、劇団に通わせてあげる
昼は劇団でお芝居の勉強をすればいいわ
そして夜は私の世話をしなさい
そう、私の家に居候するの
ね、いい案だと思わない?」
せっかく見つけたセックスパートナーを
何がなんでも離さないという
涼風さんの思惑が見えた気がしました。
私的にも、東京へ出たところで
賃貸マンションを探したり
日用品を買い求めたりと、いろんな出費を覚悟していたので、住む部屋を提供してもらえるのはありがたかった。
「いいんですか?」
「もちろんよ!
でも、言っておくけど、劇団員と私の世話をする二足のわらじは忙しいわよ。
それだけは覚悟しておいてね」
こうして私は涼風さんのマンションの一室に住ませていただき、劇団でお芝居の勉強をすることにしました。