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女優なんて…
第9章 村を出てゆく

私はスマホを取り出すし、
涼風さんに連絡をした。
- どうしたの?えっ?今夜は帰れない?
あらあら、早速、都会の毒牙に引っ掛かっちゃったのかしら?うそうそ、冗談よ。
いいわよ羽根を伸ばしてきなさい、今夜は樹(いつき)が傍にいてくれるから大丈夫よ -
「初日から甘えてしまってすいません…
明日からはキチンとやりますので…」
よかった…涼風さんはそんなに怒っていなかった…
さて、涼風さんのお許しもいただいたので
この重い荷物をさっさと寝かしつけなきゃ…
タクシーを拾って乗り込むと
「どこでもいいので安いホテルをお願いします」と
ドライバーに告げると、心得たとばかりに
タクシーは最寄りのラブホテル街へと私たちを連れていきました。
『うそ!?ラブホテル?』
私はてっきりビジネスホテルに連れていってもらえると思っていただけに困ってしまった。
かと言って、今さらビジネスホテルを目指してもらうとタクシー料金がどんどん加算されてしまう。
それほど持ち合わせもないし、時間が経てば経つほど桐生さんは酩酊して背負わなければいけなくなる。
千鳥足でも歩いてもらえる今のうちに部屋に放り込みたかった。
私は、仕方なくラブホテルに桐生さんを連れ込んだ。

