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女優なんて…
第9章 村を出てゆく

「ほら、桐生さん、しっかりしてよぉ」

何とか部屋に担ぎ込んだものの
私はすでに汗びっしょりです。
気持ち悪いので、桐生さんをベッドに寝かしつけると、私は急いで全裸になってバスルームに飛び込んだ。

『男の人とラブホテル…』

これが相思相愛の二人なら
ドキドキしてムラムラしちゃうんでしょうけど
今の私には桐生さんを男として見ていないので
淡々とシャワーを浴びて汗を流しました。

履いていたショーツを再び身に付けるのは気持ち悪かったので、私は部屋に添えつけられている部屋着を纏いました。
『どうせなら下着は洗っておこうかしら』
今からなら、この部屋をチェックアウトするまでに乾くかなと思い、洗面台で下着を洗っていると
ベッドの上の桐生さんがムクッと起き出した。

「桐生さん…?良かったぁ~、目を覚ましたのね」

私の声かけに反応せずに
桐生さんは「トイレ」といって口を押さえました。

「あ~!ダメダメ!もう少し我慢して!!」
慌てて桐生さんを抱き起こして
トイレに連れていくや否や
彼はおもいっきりリバースしてしまった。

「桐生さんったら呑みすぎですよぉ」

便器を抱きかかえ、ひとしきりリバースすると、ようやく覚醒してきたのか「ここは何処だ?」と独り言を言い始めた。

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