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女優なんて…
第9章 村を出てゆく

「ここはホテルです
桐生さんったら酔いつぶれるから、仕方なくここに連れてきました」
はい、お水をどうぞ。
私がコップの水を手渡すと
胸元を濡らしながら一気に飲み干した。

「あ~ん、もう!シャツがびしょ濡れじゃないの!」

濡れたままでは気持ち悪いだろうからと
私は世話女房のように、せっせとシャツを脱がしてあげた。
上半身を裸にすると
「ホテルに来たんなら一発やっていくかい?」と
冗談か本気かはわからないけれど
桐生さんは私に抱きついてきた。

「やめて!そんな気分じゃないもの!」

抵抗の言葉を口にしたけれど
甘い響きを持っていることに私自身、すごく驚いてしまった。
心の奥で抱かれてもいいと思っている証拠です。

彼は私に抱きついたまま、ベッドに雪崩れ込んだ。
心臓が早鐘を打っていた。
『よかった…シャワーを済ませておいて…』
キスから攻めてくるかしら、それともおっぱいを攻めてくるかしら…
ドキドキしていると、私の体に覆い被さった桐生さんから、グーグーと寝息が…

『うそぉ!女をその気にさせといて寝ちゃうわけ?!』

腹立たしいので彼の体から逃げようと押し返えそうとしましたけど、男性が寝入ってしまって脱力した体って以外と重くて私は逃げ出すことが出来なかった。

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