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女優なんて…
第10章 稽古

内ももの膝辺りから
少しずつ彼女は私の股間へ向かって撫であげて行く。

「力を入れないで…リラックスして頂戴」

有無を言わせぬ説得力に
私はなす術もなく彼女に身を任せた。

内ももを滑らせていた手は
やがて股間近くまで上ってきて
指先が少しだけ陰唇に触れた。

「あっ…!」

思わず腰を引いて彼女の手から逃げてしまう。

「あら、意外と感じやすい体なのね」

意に介せず彼女は私の鼠径部を優しく撫でる。
くすぐったいような気持ちいいような…
そんな複雑な気分にされてしまっていた。

「ふう~…
大体の筋力がわかったわ…
でも、緊張してるのかしら?
やけに筋肉が強ばっているわね
マッサージで解してあげるわね」

横川あずみはシャワーで私のシャボンを洗い流すと
丁寧にバスタオルで拭いてくれました。
いえ、バスタオルで拭くというよりは
その布地を通して私の体を愛撫しているに等しかった。

マッサージと言いながら
私はベッドで彼女に悪戯をされるのではないかと疑心暗鬼でしたが「こっちよ」と案内された部屋には
マッサージ屋さんでよく見かける顔の部分が穴の開いている正真正銘のマッサージベッドでした。

悪戯されるのかもと
彼女を疑った私は心の中で横川あずみに詫びた。


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