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女優なんて…
第13章 慰める女
どうしてもあかねを抱きたい樹(いつき)は
あかねのマンションに到着しても
ドアを開けてあかねを降ろそうともせずに
執拗にデートに誘い続けた。
「あなたはマネージャーなのよ
そこのところをわきまえなさい!」
あかねは自らドアを開けて車を降りた。
慌てて後ろを追いかけて来ようとする樹(いつき)を
鋭く睨み付けて制した。
これ以上、あかねを怒らせてマネージャーを他の奴と交代させられては身も蓋もないと
欲情をグッと堪えて引き下がるしか仕方なかった。
あかねが部屋に帰りつくと
優美子がいつもより帰りが早かったのか
夕飯の支度をして待っていてくれた。
「おかえりなさい、お疲れさまでした」
彼女の笑顔を見ると
疼いていた女の部分がさらに疼いた。
「オムライス…作ってみたんですけど
お召し上がりになります?」
卵が破れて見た目にも華やかではなかったけれど
優美子が嬉しそうな顔をしてケチャップでハートマークを書いてくれた。
「じゃじゃーん!
優美子特製のオムライスの出来上がりぃ~」
食欲はなかったけれど、
こんなに嬉しそうにしているんだから手をつけてあげないと可哀想だわ…
あかねはスプーンを手にして
見た目の悪いオムライスを口に運んだ。