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女優なんて…
第13章 慰める女
食事中も、今日はこんなレッスンをしたとか、
バイトのニューハーフのお店にこんな人が来たとか
少しうるさいなと思うほど優美子は立て続けにしゃべった。
「おしゃべりはもうけっこうよ」
きっと自分は疲れた顔をしているのだろう。
それを紛らわせてくれようと
わざと明るくおしゃべりをしてくれることに気づいていたが、何か言葉を発すると
どうしてもツンケンな口調になってしまうので
あかねは優美子のおしゃべりを止めた。
「すいません…うるさかったですか?」
「ううん、優美子は何も悪くないのよ
私のテンションが低いだけだから…」
ふと、テーブルの下であかねの足と優美子の足が触れあう。
優美子の肌の温もりを感じて、あかねの体が疼き出した。
「ふう~…ごちそうさま」
オムライスを半分残して
あかねはスプーンを置いた。
「やっぱり美味しくなかったですか?」
「ううん、そんなことはないわ
見た目以上にとても美味しかったわ」
「あ、でも…」
私は食べ残したオムライスをじっと見つめた。
「あ、違うのよ…
満腹になってしまって、優美子にぽっこりお腹を見せたくなかったから…」
そう言ってあかねさんは
静かに私の手を握ってきました。
それは今夜、戯れたいという合図でした。