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女優なんて…
第15章 女優デビュー

その夜、久々に陽子ママのお店に顔を出して
お仕事のお手伝いをさせてもらった。
ここまでお世話になっているのに
これからは忙しくなるからとお仕事をやめさせて欲しいとお願いをするのは気が引けたが
かと言って、このままフェードアウトするのは申し訳ないと閉店間際になって客足が途絶えたのを見計らって、私は陽子ママに経緯を話してバイトを辞めたいと告げた。

「まあ!そうなの?
そういうことなら仕方ないわよねえ…
あんたを目当てに来てくれるお客様も増えてきたからお店としては痛いけれど、あんたがスターの階段を昇り始めたんだもの喜ばなきゃね」

そう言って陽子ママは
「今夜はもう閉店よ!
みんな聞いて頂戴、この子が女優になるそうよ
今夜はお祝いよ、シャンパンを開けましょう
私の奢りよ皆で飲んで頂戴」

女優に?
ニューハーフが?

お店のおかまさんたちが驚きと喜びに満ちた顔で
私をお祝いしてくれました。

「私も女優を目指そうかしら」

「あんたは無理よ、どこからどう見ても男じゃない」

「そうよ、あんたじゃ無理無理!
私ならいけるかもね
女優になって男前の俳優にけつま○こを掘られてみたいわ」

「あははは、じゃあ、優美子ちゃんもけつま○こをバンバンしちゃうわけね」

「この子は大丈夫よ
なんてたって完全に改造してるんだから
普通におま○こをするわよ」

そんな軽口で祝福してくれるこのお店のニューハーフのみんなを私は大好きでした。
心残りは最後まで私が正真正銘の女だということを告白出来なかったことです。


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