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女優なんて…
第15章 女優デビュー
大白川監督の待望のエロチック大作の二作目は
わずか二ヶ月という短期間でクランクアップした。
内容がセックスのオンパレードなので
たいしたロケも行わず
ほとんどがラブホテルやスタジオ撮影で済ませた低予算の映画であったことも短期間での撮影で終える要因のひとつであった。
公開前に
試写会を、応募してきた一般の百組のカップルを抽選で招いて大々的に行った。
映画ガイド誌のインタビューでさまざまなカップルが「興奮した」、「早く帰って彼女とセックスしたくなった」などと答えたものだから
官能大作として前評判は上々であった。
そして、記念すべき第一回目の上映後には
監督を交えて出演者が登壇しての舞台あいさつも行われた。
エンタメ記者の注目は
今回がスクリーンデビューとなる優美子に注がれたが、肝心の舞台あいさつの場に優美子の姿はなかった。
ネットニュースなどでは
期待のニューフェイスの失踪などと
面白おかしく書かれていたが
優美子本人は失踪などしていなくて
舞台あいさつが行われている時に
産婦人科医院に足を運んでいた。
。。。。。。。。。
それは舞台あいさつの前夜のことだった。
涼風あかねのマネージャーである樹(いつき)が
腕によりをかけてごちそうを準備していた。
「さあさ、あかねさんも優美子ちゃんも
今夜はたらふく食べてくださいよ
映画の大ヒットを祈願しての前祝いなんだからね」
長年、マネージャーとして涼風あかねの食事の世話をしているうちに樹(いつき)の料理の腕前はプロ並みとなっていた。