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女優なんて…
第5章 女性マネージャー

「お前、いい女だな」

初めて彼に挿入された時に
安岡が紗由理のことを褒めた。

安岡にしてみれば
欲情すれば体を開く肉便器としての称えただけだが
それでも彼の口から「いい女」と呼んでもらえた事が至極の喜びだった。

そして、今回のロケも現地での民泊を断り
時間をかけて市内まで戻りこのようにホテルでの宿泊を選んでくれた。
これは、言い換えるならば
このロケが続く限り、毎晩でも抱いてやると言われているに等しかった。

紗由理は今すぐにでも
マネージャーという偽りの姿を脱ぎ捨てて
一人の女として安岡を求めた。
「シャワーを浴びてこい」と命じられて
紗由理はいそいそと脱衣してユニットバスに飛び込んだ。

ユニットバスには施錠しないでおいた。
きっと欲情している彼の事だから
後を追うようにバスルームに来て
シャワーを浴びながらの一戦を予想していたからだ。

でも、紗由理の思惑とは違い
いくら待っても安岡はユニットバスに現れなかった。

体の隅々まで洗い終えて
もう待てないと紗由理は全裸のままで
ユニットバスから部屋に戻った。

安岡は全裸の紗由理に見向きもせずに
スマホで誰かと通話していた。

「あ、どうも~、安岡です
ええ、気を使っていただけて…
ええ、お陰で部屋でのんびりしてますよ」

誰と通話しているのだろう…

聞き耳を立てるわけではないが
ダブルの部屋なのだからダブルベッドしかないので
彼女は彼の隣に寝そべった。

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