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女優なんて…
第5章 女性マネージャー

- 君さあ、付き合っている男はいるの? -

はあ?何であんたにそんなことを教えなきゃいけないのよ

そんな他愛ない会話の後に
あまりにも突然に
- ねえねえ、今日の下着の色を教えてよ -
と、とんでもないことを言ってきた。

「はい?あの…そんなことを教える筈ないでしょ」

- 君がどんな色の下着を履いてるのか
すごく興味があるんだよねぇ -

そんな通話に聞き耳を立てていた紗由理が
私の下着はこんな下着よ。と
掃き捨ててあった下着を拾い上げて
安岡の顔にパサリと落としてやった。

その下着を手にして
繁々と眺めながら安岡はパープルなんてのもいいかもねぇと、おもむろに紗由理の下着をクンクンと嗅ぎ始めた。

- ねえ、聞こえる?
君の下着を想像してクンクンと匂いを嗅いでいるよ


「な、何を、バカなこと言っているんですか!」

- ほんとだよ。わぁ…すごくいやらしい匂いがしてる -

紗由理はピンときた。
おそらく安岡はテレフォンセックスに持ち込もうとしているのだと…

それならば私もお手伝いしてあげようと
紗由理は安岡の次の言葉を待った。

- 今から君の身体中にキスしてあげる -

「身体中に…?」

何を、バカなことを言ってるのと思いながらも
通話を切ることができない。
何だか妙にドキドキしてきた。

- そう、エッチなところも、全部ね -

「チュッ」という音がスマホから聞こえた。
時折、唾液を絡める音も聞こえる。
それが、やけにリアルで…

それもそのはず、
ホテルでは安岡が紗由理の体を引き寄せて
首スジから鎖骨にかけてキスの嵐を降らせていた。
フェイクのチュッという音ではなく生々しい音であるがゆえに
無意識のうちに、私は内股を擦り合わせていた。

- シャツの裾、捲れる? -

「捲れます」

バカなことだと思いながらも
私は拒むことができずに
スマホをスピーカーにすると両手を解放させて
安岡の言われたとおりにした。

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