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女優なんて…
第6章 本番
「絶対にヌードにはなりませんから!
それに、うちの事務所だって許可するはずないもの」
ねえ、そうでしょ?
いくら弱小芸能プロの事務所といえども
看板女優に脱がすことに大反対するに決まっている。
涼風は助けを求めてマネージャーに意見を求めた。
「涼風さん、事務所もOK出してます」
予想に反して冷たい言葉が彼の口からこぼれ出た。
「許可してるというの?
事務所は私に脱ぎなさいと言っているというの?」
ショックだった。
自分は事務所の看板女優で
清廉を売りにしてきのに
最近、人気に翳りが出てきたとはいえ
裸になれと言われたのが衝撃だった。
「事務所も、この作品を機に
新たな一面を引き出したいんですよ」
マネージャーの樹(いつき)は
事務所からの上司の言葉を思い出していた。
『涼風あかねさあ、そろそろ脱がすか?
今ならヌード写真集も高値で契約してくれるだろうしな』
この映画で近々ヌード写真集もありうることを
世間に知らしめておけば
映画も当たるし次に控えている写真集もバカ売れ間違いなしだと事務所は大乗りきだった。
「そんな…」
事務所という名のバリケードが
脆くも崩れ去ったのを涼風は絶望した。