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女優なんて…
第6章 本番
「さあ、さっさと脱いじまいなよ
この後の撮影スケジュールに遅れが出ちまうだろ!」
さっさと脱いで僕に抱かれろよと
安岡は痺れを切らした。
「わかったわ…
それならベージュのヌーブラと
ビキニショーツを用意して頂戴」
乳首と尻の谷間は死んでも守り抜きたかった。
これが彼女がヌードに対する最低限の譲歩であった。
「はあ?そんなのヌードとは言わないんだよ!
それに今すぐそんなものを用意出来るはずないだろう!!」
監督の大白川はブチ切れる寸前だった。
確かに涼風の言うように
そういうものでごまかして
アングルによってはヌードに見せることは可能だった。
しかし、リアリティーを信条とする彼にとって
そんなものを着用させるなんて許せなかった。
「お前さあ!
俺の演出に文句があるんなら降りてもいいんだぞ!」
大白川監督は伝家の宝刀を抜いた。
自分の演出に付いてこれない女優なんざ使えないと白黒をはっきりさせようとした。
「イヤなの…
裸はイヤなのよぉ!」
ついに涼風は泣き出してしまった。
「撮影なんてすぐ終わるから…
ちょっと我慢するだけでいいんだからさ
頼むよ…事務所を救うと思ってさ…」
監督の演出を拒んで降板となれば
それなりの違約金が発生する。
ここは何としてでも涼風に脱いでもらわないと…
マネージャーの樹(いつき)は慌てて涼風の元に駆け寄って、なんとかわかってもらおうと躍起になった。