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女優なんて…
第7章 涼風あかねの嫉妬

「レクチャーと言われても…
私と涼風さんだとレズになっちゃうし、
それに気心を知れた仲だと緊張感もないですし…」

「そっか~…
じゃあ、マネージャーの樹(いつき)とも練習にならないわね。だって、一番気心の知れた仲ですもの」

樹(いつき)の名が出たので
彼はいそいそと身を乗り出そうとしたが
ダメだと言われてしょんぼりと腰を落とした。

「そうだわ!
大白川監督に迫ってみるわ!!」

「えっ?監督さんに?」

「あのジジイとラブシーンが出来るなら
きっとこれから先もどんな男優さんともラブシーンが出来るわ!」

ね、今から監督さんの泊まっている宿へ行きましょうよ!

女優のわがままが顔を覗かせていた。
こうと決めたら即行動に移すのが彼女の長所でもあり短所でもあった。

「待って…大白川監督の宿泊先って…
村長の家よ…
まさか村長の家に押し掛けて監督を誘惑する気?」

「別にいいじゃない…
樹(いつき)さん、車を出して頂戴。
私たちを村長さんの家まで送り届けてほしいの」

「ホントに?…
別にいいですけど…
もう、あの人たち寝てるんじゃないですか?
ほら、年寄りって寝るのが早いと言うし…」

「寝ていたら叩き起こせばいいのよ
ヤると決めたからには即刻やるのが私の主義なの」

そうしてマネージャーの樹(いつき)さんは
ヤル気満々の涼風さんと気乗りしない私を同乗させて村長宅へ向かった。


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