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目覚めたのは 公園のベンチ
第6章 夫の知らない 新妻の昼の時

「この間 寝てしまって・・申し訳ない」 
1週間ぶりで ママの店に訊ね

ママの顔を照れながら謝ると 
薄い水割りを和夫の前に出し
優しい笑顔で 和夫を妖艶な目で見つめ 
頷いて呉れた

・・・ママと目が・・逢った時・・

・・・頭の中に電流が走り・・後頭部が痺れた・・

頭を押さえ ママを見つめるが 何時もと同じように 
白いワンピースに肩までのウェーブの髪で 
和夫を見つめて呉れ 和夫は照れた笑いを浮かべ
棚のボトルに目を 遣りながら

「この間 寝てる時 夢を見てね・・・・」 
和夫は 夢の話をポツポツと

ママに話始め ママは面白そうに聞いていた

「女子高生・・・? 嫌だ・・・飯田さん ロリコン?」 
ママが呆れたように
和夫を笑いながら見て 聞いてきた

「実は 4年前から小説を書いて居てね 初期の作品の ヒロインだったんだ」

和夫は初めて ママに仕事を辞め 
小説を書いて居る事を打ち明けた

「そうだったんだ・・最近スーツで来ないから不思議に思ってたの・・」

ママの目が光り 不思議な光を帯びた目で 
和夫を見て言って来た

「その ヒロインの名前 陽菜さん?・・判るな彼女の気持ち・・・」

ママが遠くを見る様に 
和夫の頭の上に 目をやりながら呟いた

「毎年 毎年同じ事繰り返す 人生は辛いわよね・・・・」

「飯田さん 変えてあげるべきよ」 
和夫を見て ママが強く言って来た

水割りを口に運び 和夫は頷いて 
井上を呼ぶ事を考えて入た

ドアベルが鳴り 和夫も見慣れた常連が 椅子に座り ママに飲み物を注文し

ママと常連が話すのを聞いている処に 
立て続けにお客様が来店し ママは
カウンターの中 飲み物を作っては出しながら 
常連客と会話を楽しみ
お店の そこかしこで笑い声が上がっていた・・・

・・・・和夫に睡魔が・・・・・

・・・・和夫は 棚のボトルを眺め・・・ボトルが揺らぎ始めて来た・・・・

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